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宮城県の看護師求人|エリア・施設別の給与と探し方【求人80件を集計】

2026年10月10日 公開 約27分で読めます

執筆:平山 英幸(株式会社アルゴナース 代表取締役/看護師/看護学博士/国家資格キャリアコンサルタント)
公開日:2026年10月11日


宮城県で看護師の求人を探すとき、求人サイトを開いてもどこから見ればいいか分からない、という声をよく聞きます。

このページは求人一覧ではありません。求人を探し始める前に知っておくと判断が早くなる、宮城県の実情をまとめたものです。

結論として、押さえておきたいのは3つです。

  • 宮城県の求人は仙台市とそれ以外で性質が分かれること。
  • 施設の種類によって給与の水準と幅が大きく違うこと。
  • そして「給与が高い=条件が良い」とは限らないこと。

公開されている統計と、実際の求人票80件を集計したデータ、そして日々のキャリア相談で見えていることをもとにお伝えします。


厚生労働省の令和6年衛生行政報告例によると、2024年末時点で宮城県の就業看護師は22,607人、准看護師は4,279人です。

人口10万人あたりの看護師数では、宮城県は1,005.6人。全国平均の1,101.1人を下回っています。

意外に思われるかもしれません。東北の他県は、山形県が1,405.7人、秋田県が1,375.3人と、いずれも全国平均を大きく上回っています。東北で全国平均を下回っているのは宮城県だけです。

これは人口規模の大きい都市を抱える県に共通する傾向で、埼玉県や神奈川県も同じように低い値です。看護師の実数が少ないのではなく、人口に対する比率で見ると相対的に手薄になる、という構造です。

「東北だから給与は低い」と思われている方が多いのですが、そうとは言えません。

厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagによると、宮城県の看護師の年収は513.2万円。全国平均は524.7万円です(令和7年賃金構造基本統計調査をもとに算出)。差は約11万円、率にして2%程度で、ほぼ同水準といえます。

平均年齢を見ると、宮城県は40.4歳で全国の42.1歳より若い数字です。年齢構成が若いことを考えると、同じ年代で比べた場合の水準は全国と変わらないか、それ以上の可能性があります。

また、令和5年(2023年)の調査では、宮城県の看護師の平均勤続年数は12.1年で、全国平均の9.8年を2年以上上回っていました。平均年齢が全国より若い一方で勤続年数は長く、県内で長く働き続けている傾向が見られます。

宮城県で看護師が働く場所は、次のように整理できます。

  • 急性期病院
  • 回復期・療養型病院
  • クリニック
  • 訪問看護ステーション
  • 介護施設
  • その他(企業、保育園、学校など)

全国の数字ですが、統計上の区分で見た就業看護師の主な働き先の内訳は次のとおりです(令和6年衛生行政報告例)。

就業場所割合
病院65.7%
診療所14.3%
介護保険施設等7.9%
訪問看護ステーション6.7%
社会福祉施設2.1%

3人に1人は病院以外で働いている計算です。介護保険施設等は7.9%、訪問看護ステーションは6.7%を占めており、病院以外にもさまざまな働き先があります。

宮城県は第8次地域医療計画で在宅医療の体制づくりを重点項目に位置づけており、訪問看護ステーション向けの職場環境整備支援や、訪問看護師の育成支援を行っています。実際に求人を見ても、訪問看護の募集は少なくありません。

宮城県の医療体制は、4つの二次医療圏に分かれています(第8次宮城県地域医療計画)。

  • 仙南医療圏(白石、角田、蔵王など)
  • 仙台医療圏(仙台市、塩竈、名取、多賀城など)
  • 大崎・栗原医療圏(大崎、栗原など)
  • 石巻・登米・気仙沼医療圏

厚生労働省の令和5年医療施設調査によると、宮城県内の病院の約57%(77件)が仙台市内にあります。診療所にいたっては約72%(1,237件)が仙台市に集中しています。

看護師の配置にも同じ偏りが出ています。

医療圏人口10万対看護師数
仙台医療圏974.7人
石巻・登米・気仙沼医療圏898.9人
大崎・栗原医療圏890.7人
仙南医療圏689.3人

(出典:日本経営グループ「二次医療圏データ集」/令和5年医療施設調査・令和2年国勢調査より作成)

図1 宮城県内でも、看護師の配置には大きな差があります

全国平均は948.3人です。全国平均を上回るのは仙台医療圏だけで、仙南医療圏は全国平均の7割程度にとどまります。

入院の面でも、仙台医療圏では入院患者の97.2%が圏内で完結する一方、他の医療圏からは一定割合が仙台へ流出しています。高度医療が仙台に集まっていることが分かります。

宮城県は、看護師が特に不足する3つの医療圏(仙南、大崎・栗原、石巻・登米・気仙沼)への就業を条件に、修学資金の返還を免除する制度を設けるなど、看護師の地域偏在への対策を進めています。

判断が変わるのは、生活コストを含めて考えたときです。

仙台市外では、勤務地や居住地によって車が必要になるケースがあります。一方、仙台市内では、公共交通機関を利用しやすく、車を持たずに生活できる地域もあります。

ただし、仙台市内でも通勤時間帯の混雑があります。また、通勤に便利なエリアでは家賃が高くなる場合もあります。家賃を抑えて離れた場所に住めば、その分通勤時間が長くなる可能性があります。

つまり、額面の給与だけで比べても答えは出ません。家賃、車の要否、通勤時間。この3つを足して、手元に残る金額と時間で比べると、順序が入れ替わることがあります。

求人を比較するときは、給与欄だけでなく、勤務地から自宅までの距離と、その地域で車が必要かどうかを一緒に見てください。

相談を受けていて多いのは、東北出身の方が新卒で東京に出て、数年働いてから仙台に戻ってくるケースです。

そのほか、家族の転勤に伴って、あるいは家族の介護を理由に宮城県へ引っ越してこられる方もいます。

いずれの場合も、県内の求人事情が分からない状態から職場を探すことになります。エリアごとの違いをあらかじめ把握しておくと、自分に合った選択肢を絞り込みやすくなります。

ここは求人サイトの一覧を眺めているだけでは見えてこない部分です。実際の求人票を集計してみました。

施設種別件数中央値下限の平均上限の平均
ホスピス・ナーシングホーム534.2万円32.7万円35.0万円
訪問看護ステーション832.1万円30.1万円35.0万円
クリニック1628.5万円26.3万円32.5万円
介護施設1726.8万円23.2万円30.1万円
一般病院925.5万円22.1万円31.0万円

※2026年9月時点で求人サイト・ハローワークに公開されていた宮城県の看護師求人80件のうち、月給表記の57件を当社が集計。無作為抽出ではないため、参考値としてご覧ください。

図2 施設の種類で、月給の水準は6〜9万円変わります

今回の集計では、訪問看護とホスピス系の給与水準が最も高い結果となりました。 中央値で32〜34万円台となり、一般病院の25.5万円を6〜9万円上回ります。今回集計した求人では、夜勤なし、またはオンコール対応のみの求人が中心でした。「夜勤がなくなると給与が下がる」という一般的なイメージとは逆の結果でした。

ただし、これには理由があります。後ほど「『給与が高い=条件が良い』とは限らない」の章で説明します。

一般病院は下限が最も低く、上限が最も高い業態です。 集計では17.5万円から45万円まで開きがありました。経験年数や夜勤回数、役職などによって給与に差が出ている可能性があります。求人票の下限額だけを見て判断すると、実態を見誤ります。

今回の集計では、介護施設は施設による給与の幅が大きい結果となりました。 16.3万円から39.4万円まで、2.4倍の幅がありました。デイサービスや特別養護老人ホームで低く、有料老人ホームや住宅型施設で高い傾向が見られます。「介護施設だから給与が低い」とは言えません。

なお、美容クリニックは38万〜50万円と明確に高く、一般診療のクリニックとは給与の性質がまったく違います。クリニック転職を検討する際は、この2つを分けて比較してください。

施設種別件数時給の範囲
ホスピス・ナーシングホーム21,760〜2,500円
介護施設41,100〜1,800円
訪問看護ステーション21,500〜1,900円
クリニック41,200〜2,000円
保育園・その他51,280〜1,800円

件数が少ないため平均ではなく範囲で示しています。それでも、最も低い1,100円と最も高い2,500円では2.3倍の差があることは分かります。

時給は施設の種類によって幅があります。金額だけでなく、勤務時間や業務内容、オンコール・夜勤の有無などもあわせて確認することが大切です。

→ パート勤務について詳しくは「仙台の看護師パート求人」の記事で解説しています

給与以上に違いが出るのが、キャリアの積み方です。

大規模病院は、新卒からずっと働き続ける方が多く、中途採用の枠はそれほど多くありません。 部署の数が多いため配置換えが行われることもあり、病院によっては手術室・ICU・救急など、複数の領域を経験することが求められます。

そのため、一つの領域で専門性を高める働き方だけでなく、複数の領域を経験するジェネラリストとしての働き方を求められる場合もあります。また、人気のある部署には異動希望が集まるため、自分の思う働き方を実現しにくい場合があります。

中小規模の病院は、診療科や病棟数が限られている分、一つの領域で継続して経験を積みやすく、専門性を高めやすい環境です。

どちらが良いかではなく、自分がどちらの働き方を望むかで選ぶべき部分です。「大きい病院の方が良い」と単純には言えません。

クリニック: 夜勤がなく勤務時間が読みやすい一方、少人数体制です。

 → 詳しくは「仙台のクリニック看護師求人」の記事へ

訪問看護ステーション:宮城県でも求人が見られる働き先の一つです。1人で判断する場面が多く、経験の活かし方が病棟とは異なります。

労働環境の面でも、病院との違いが数字に出ています。宮城県看護協会の調査によると、有給休暇を「希望どおり取得できる」と答えた割合は、病院看護師の21.6%に対し訪問看護師は38.2%。現在の職場で働き続けたいという回答も、病院56.3%に対し訪問看護67.6%でした。

一方で、訪問看護師では転職経験のある人の割合が92.6%でした。

介護施設:施設の種類によって医療処置の頻度が大きく違います。同じ「介護施設」でも、特別養護老人ホームとデイサービスと住宅型有料老人ホームでは、業務内容も給与も別物です。

企業・保育園など :求人数は多くありませんが、夜勤がない職場や、カレンダーに沿った勤務ができる職場もあります。

なお宮城県は、病院の開設主体別構成で公立が21.3%を占めます(全国は11.1%)。全国と比べて公立病院の割合が約2倍で、給与体系や異動の仕組みが公務員に準じる職場が多いという特徴もあります。

日本看護協会が2025年に実施した看護職員実態調査(全国4,430人)では、転職経験がある人は50.9%でした。また、宮城県看護協会が県内の病院看護師238名に実施した令和4年度の調査では、60.5%が転職を経験していました。

調査対象や時期が異なるため単純な比較はできませんが、いずれの調査でも転職経験のある看護師が一定数いることが分かります。

では、どうやって転職先を見つけているのか。全国調査の結果です(転職経験者2,255名・複数回答)。

転職先に就職したきっかけ割合
友人・知人からの紹介31.0%
転職先のホームページでの求人募集21.3%
ハローワークからの紹介14.6%
民間の職業紹介事業者からの紹介12.4%
ナースセンターからの紹介9.0%
民間の就職・求人情報サイト7.9%
新聞・チラシ等の求人広告4.0%

友人・知人からの紹介と、転職先のホームページからの応募が上位を占めています。 求人の探し方は一つではなく、複数の経路が実際の転職につながっています。

なお、宮城県の調査では、ナースセンター経由で転職した人は11.8%でした。

言えるのは、探し方を1つに絞らない方がよいということです。それぞれ性質が違います。

求人数が多く、条件での絞り込みがしやすい方法です。担当者がつくエージェント型では、非公開求人の紹介や条件交渉を任せられます。

後述しますが、職場の実態を確認するうえでも、エージェントの使い方次第で得られる情報が変わります。

宮城県看護協会が県の指定を受けて運営している、無料の職業紹介です。

全国のナースセンターをつないだ「eナースセンター」から登録でき、条件に合う求人がメールで届きます。求職票の有効期限は6か月です。復職支援や職業相談も無料で受けられます。

営利目的ではないため、急かされずに相談したい方には向いています。

なお、2015年から「とどけるん」という届出制度が始まっています。免許を持っているが現在は働いていない方が登録しておくと、復職支援の情報が届く仕組みです。

宮城県内の医療機関・介護施設の求人が幅広く掲載されています。先ほどの全国調査でも、転職のきっかけとして14.6%が挙げていました。

地域の中小規模の施設は、求人サイトに出さずハローワークだけに出しているケースもあります。仙台市以外の地域を検討している場合は、確認しておく価値があります。

働きたい医療機関が決まっている場合は、ホームページの採用情報から直接応募できます。宮城県のサイトには県内医療機関の名簿も公開されています。

ここがこの記事で最もお伝えしたい部分です。

① 夜勤の実際の回数と体制

 求人票に「月4〜5回」と書かれていても、人員状況によっては回数が増える可能性があります。二交代か三交代か、夜勤帯の人員配置が何人かによって、同じ回数でも負担はまったく違います。

宮城県看護協会が県内77病院の看護管理者に行った調査では、最も多い勤務体制は16時間以上の夜勤がある2交代制で63%でした。また、16時間以上の夜勤がある2交代制を採用している病院のうち52%が、勤務拘束時間を13時間以内に短縮することを現時点で検討していないと回答しています。

同じ調査の自由記述では、子育てや家庭の事情で夜勤を免除されている看護師が多く、夜勤ができる一部の看護師に負担が集中しているという課題が挙げられていました。求人票の「月4〜5回」が、自分にとって何回になるのかは、職場の人員構成によって変わります。

② 残業の実態

「残業月◯時間」という記載が、申請ベースなのか実働ベースなのかで意味が変わります。

これは宮城県のデータではっきりしています。県内の病院看護師238名への調査では、超過勤務時間の平均は月13時間04分。一方、実際に申請している時間の平均は8時間57分でした。月に約4時間、申請されていない時間があります。

求人票に記載された残業時間を見る際は、申請ベースの数字なのか、実際の超過勤務時間なのかを確認することが大切です。 実態と記載内容に差がある可能性も踏まえて確認しましょう。

参考までに、日本看護協会の2025年全国調査では、超過勤務をした正規雇用職員の超過勤務時間は平均12.2時間でした。宮城県の13時間04分は、全国とほぼ同水準か、やや長い程度です。

③ 教育体制とブランク受け入れの実際

「教育体制充実」という記載の中身は職場によってまったく違います。プリセプター制度の有無だけでなく、実際に誰がどのくらいの期間つくのかが重要です。

④ 離職率と定着の状況

日本看護協会の2025年病院看護実態調査によると、正規雇用看護職員の離職率は全国で11.0%、新卒採用者は8.4%です。この数字と比べて応募先がどうなのかは、面接で聞いて構いません。

⑤ 職場の雰囲気と人間関係

求人票だけでは判断しにくい部分です。

求人票や面接だけでは、職場の実態まですべて把握するのは難しいものです。採用時の説明と、実際に働いたときの印象が異なることもあります。

そのため、職場選びでは次のような方法で実際の働き方を確認しておくことが大切です。

可能であれば職場見学を行い、気になる点を直接確認しましょう。 求人票や面接だけでは分からない職場の雰囲気や働き方を確認できます。

エージェントを使う場合は、聞きたいことを事前に伝えておいてください。 施設と情報交換を密にしている会社であれば、求職者には見えない情報を持っていることがあります。

さらに有効なのが、見学に同席してもらう、あるいは別のタイミングで確認してもらうという使い方です。自分では聞きにくいことも、第三者経由なら確認できる場合があります。

エージェントは求人を紹介してもらうためだけのものではありません。情報を取りにいくために使うという発想を持っておくと、得られるものが変わります。

相談を受けていて「入職前に確認しておけばよかった」と言われることが多いのは、次の3点です。

① 介護施設・訪問看護のオンコールの実情

オンコールがあること自体は求人票に書かれています。しかし、月に何回担当するのか、実際に呼び出される頻度はどのくらいか、手当はいくらかまでは書かれていません。ここが生活への影響を大きく左右します。

② 希望休・有給休暇の取りやすさ

制度として希望休があることと、実際に取れることは別です。月に何日まで出せるのか、連休は取れるのか、実際に通っているのかを確認してください。

宮城県の調査では、有給休暇を希望どおり「取得できる」と答えた病院看護師は21.6%、「ある程度できる」が51.7%。一方で約27%が「ほとんどできない」「できない」と回答しています。約4人に1人は、有給を自分の希望では使えていないということです。

全国では「できる」19.9%、「ある程度できる」44.7%(日本看護協会 2025年調査)。宮城県の方がやや取得しやすい傾向にありますが、それでも約4人に1人が希望どおり取得できていない状況です。

そして、この調査で注目すべき結果があります。現在の職場で働き続けたいかという意思は、夜勤の有無とは関連が見られなかった一方、有給休暇の裁量とは関連が見られました。

つまり、現在の職場で働き続けたいという意思には、夜勤の有無よりも、有給休暇の取りやすさとの関連が見られたということです。夜勤の回数だけでなく、有給休暇や希望休の取りやすさも、職場選びの際に確認しておきたいポイントです。夜勤の回数ばかりに目が向きがちですが、確認の優先度としては、有給と希望休の実態の方が高いかもしれません。

③ 子どもが体調不良になったときの勤務調整体制

子育て中の方には特に重要です。急な休みが出た際の対応方法や、実際の運用例まで確認できると、入職後の働き方をイメージしやすくなります。

この3つは、いずれも求人票だけでは分かりにくく、入職後の生活にも関わる項目です。職場見学や面接の際に確認しておくと安心です。

相談を受けていて最も多い思い込みが、これです。

条件が良い職場を、単純に「給料が高い職場」と捉えている方が少なくありません。しかし、両者は必ずしも一致しません。

医療機関の多くは、診療報酬によって収益が成り立っています。収入の上限がある程度決まっているということです。

その中で給与を高く設定する場合、勤務体制や手当、業務内容など、ほかの条件とのバランスを見る必要があります。給与が高い求人でも、休日数や夜勤回数、業務負担などをあわせて確認することが大切です。

先ほどの集計で訪問看護やホスピス系の給与が高かったのも、偶然ではありません。

訪問看護ステーションや、自由診療も提供している医療機関は、収益構造が一般的な保険診療の医療機関とは異なります。そのため、管理者の方針次第で、給与が高いうえに勤務体制も整っているという職場が存在します。

保険診療中心の医療機関で給与が相場より高い場合は、給与だけで判断せず、勤務体制や夜勤回数、休日数、業務内容などもあわせて確認しましょう。

これは押さえておいてください。看護師の給与には職場による差がありますが、給与だけで職場の良し悪しを判断するのは難しいといえます。

だとすれば、給与の高い低いだけで職場を選ぶのは、判断材料として弱いということになります。

勤務体制、休日の取りやすさ、通勤時間、教育体制、人間関係。さまざまな条件が自分に合っていることが、良い職場の条件です。

もう一点、給与の見方で誤解が多い部分です。

宮城県のハローワーク求人に掲載されている看護師の求人賃金は、月額23.1万〜28.7万円です(令和7年度/job tag)。一方、実際に支払われた賃金をもとにした統計では、宮城県の看護師の年収は513.2万円です。

年収には賞与や各種手当が含まれるため、求人票に記載された月給だけでは、実際の年収を把握しにくいことがあります。

図3 求人票の月給だけで判断すると、実態を見誤ります

理由の一つは、含まれる金額の範囲が異なることです。求人票に記載された月給には、賞与や夜勤手当、残業手当などが含まれていない場合があります。

令和5年の調査データで宮城県の内訳を分解すると、こうなります。

  • 年間賞与:96.8万円(年収の約18%)
  • 夜勤手当・残業手当など:月4.6万円(月給の約13%)

賞与と手当だけで、年収の3割近くを占めている計算です。ここが求人票に書かれていなければ、金額の印象はまったく変わります。

宮城県の手当の比率(約13%)は、全国平均(約9%)を上回っています。手当の割合が比較的高い点も、求人票を見る際に確認しておきたいポイントです。

実例を見ると分かりやすくなります。仙台市内のあるクリニックの求人には、モデル給与の内訳が公開されていました。

項目金額
基本給245,000円
資格手当25,000円
住宅手当 8,000円
月給計278,000円
賞与(年4か月・前年度実績)975,000円
年収429万円(経験6年・正看護師)

求人のモデル給与では、月給27.8万円、賞与97.5万円、年収429万円と掲載されています。月給だけでなく、賞与を含めて年収を確認することが大切です。賞与だけで年収の約23%を占めている計算です。

求人票を比較する際は、次の3点を確認してください。

  1. 賞与が年何か月分か(実績ベースで聞く)
  2. 夜勤手当が1回いくらか、月何回想定か
  3. 提示額に何が含まれているか(手当込みか、基本給のみか)

この3つを聞けば、求人票の金額から実際の年収がおおよそ計算できます。面接や見学の場で聞いて失礼にあたる質問ではありません。

看護師の有効求人倍率は、全国で2.38倍です(厚生労働省 職業情報提供サイトjob tag/令和7年度)。1人の求職者に対して2件以上の求人がある状態です。

宮城県の看護師の有効求人倍率は2.28倍です(令和7年度/job tag)。全国の2.38倍をわずかに下回りますが、2倍を超える水準に変わりはありません。

参考までに、宮城県の全職種の有効求人倍率は1.12倍(2026年7月/宮城労働局)です。看護職は2倍を超える有効求人倍率となっており、求人ニーズの高さが分かります。

さらに注目すべき動きがあります。2026年7月の新規求人数は、県全体では前年同月比2.3%減と34か月連続で減少しました。そうしたなかで、「医療,福祉」は前年同月比15.4%増と、主要産業のなかで最も大きく伸びています。

県全体の新規求人数が減少するなか、「医療,福祉」は前年同月比15.4%増となっています。 看護職を含む医療・福祉分野では、求人ニーズが続いていることが分かります。これが宮城県の現状です。「求人が少ないから転職できない」と決めつけず、実際の求人状況を確認してみることが大切です。

東京23区に住んでいる方、または東京圏から23区へ通勤している方が宮城県の対象求人に就職して移住する場合、移住支援金が受けられることがあります。金額は世帯で100万円、単身で60万円。18歳未満の子どもを帯同する場合は1人につき100万円が加算されます。対象となる法人には医療・福祉分野も含まれており、看護職でも就職先などの要件を満たせば、対象となる可能性があります。

条件を並べる前に、次の3つを整理してください。キャリア相談でも、最初に必ず伺っている内容です。

これが出発点です。処置や技術に手応えを感じるのか、患者さんとの関わりなのか、チームで動くことなのか。ここが曖昧なまま条件だけで選ぶと、条件が良くても続きません。

譲れない条件を挙げるだけでなく、優先順位をつけることも大切です。 すべての希望を満たす職場を見つけるのが難しい場合もあります。どの条件なら調整できるかを整理すると、選択肢を絞り込みやすくなります。

数年先にどうありたいかを考えたうえで、そのために今どこで、どのような経験を積むのかを考えてみましょう。転職は、そのための手段のひとつです。今の職場で解決できることもあります。

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個別に相談する(LINE・無料) 転職するかどうかが決まっていない段階でも構いません。まずは状況を整理するところからご相談ください。

宮城県の看護師求人について、押さえておきたいポイントを整理します。

エリア: 診療所の7割超が仙台市に集中する一方、仙南医療圏の看護師配置は全国平均の7割程度です。給与は仙台市がやや高いものの、同じ業態では大きな差がない場合もあります。家賃、車の要否、通勤時間まで含めて比較することが大切です。

施設の種類: 訪問看護やホスピス系は、今回の集計では一般病院より給与水準が高い結果となりました。一方、介護施設は施設による給与の幅が大きく、大規模病院と中小規模病院ではキャリアの積み方にも違いがあります。

確認すべきこと: オンコールの実情、希望休・有給休暇の取りやすさ、子どもの体調不良時の勤務調整体制など、求人票だけでは分かりにくい点もあります。職場見学や面接の際に確認しておくと安心です。

給与水準: 宮城県の看護師の年収は513.2万円で、全国平均524.7万円と大きな差はありません。給与だけでなく、勤務体制、休日、通勤、教育体制、人間関係などもあわせて比較することが大切です。

勤務体制、休日、通勤、教育体制、人間関係。さまざまな条件が自分に合っていることが、良い職場を選ぶうえで大切です。

まずは、自分にとって譲れない条件と、調整できる条件を整理するところから始めてみてください。

  • 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
  • 厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査」
  • 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」/同「令和5年賃金構造基本統計調査」(都道府県別)
  • 厚生労働省 職業情報提供サイト job tag「看護師」
  • 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」
  • 宮城県「第8次宮城県地域医療計画」
  • 宮城県「移住支援金」
  • 日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」(調査研究報告No.103/2026年)
  • 宮城労働局「宮城県の一般職業紹介状況(令和8年7月分)」
  • 公益社団法人宮城県看護協会「令和4年度『看護師の労働実態調査』に関する報告書」(令和5年7月)
  • 公益社団法人宮城県看護協会 ナースセンター
  • 日本経営グループ「二次医療圏データ集」
  • 求人ボックス 給料ナビ「看護師の年収・時給 宮城県」
  • 当社集計(2026年9月時点の公開求人80件)

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文責:株式会社アルゴナース 転職支援チーム

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